武満徹とこんまりの共通点

私は日本人だから他の日本人の活動を無条件に応援するという訳ではないのですが、それでも日本人(というか名前が日本人っぽい人)の活動をネットなどで見かけると「お?」という感じで注目します。これまで私は日本人の強みはチームワークによる掛け算的成果であると考えていたのですが、良く見れば個人プレーで突出した成果を出しているひともたくさんいますね。

例を挙げればキリがありませんが、私が個人的に好きな例でいうと、まずは作曲家の巨匠、武満徹氏。彼の作品は現代音楽の中に極めて独特なサウンドを創り出し、今でも世界中の数多くの若い作曲家に影響を与えています。全く違うジャンルですが、こんまりさんもその独特なアプローチで「片づけ」という作業を「信念」や「ライフスタイル」といったもっと包括的なコンセプトに昇華させてしまいました。言うまでもなく彼女のメソッドは世界中で支持されていますね。

結果的にみると二人とも、「世界の武満」、「世界のこんまり」となるわけですが、共通点としては本人たちはただひたすら自分の探求心に取りつかれるように没頭して研究、開拓していたということだと思います。そして自分の世界に入り込んで突き詰めていっているうちに全く独創的で素晴らしいアートを創り出してしまった。それを日本で見つけて海外に持って行った人がいて結果的に世界中にその作品が知れ渡ることになった。ということになります。

そう考えると11年前に世界のレベルに挑戦したいなどと息巻いてニューヨークに行った過去の私などは何も見えていなかったように思います。もちろん渡米したことに一切後悔はありませんが、アーティストとしての勝負の舞台は日本でもニューヨークでもなく、自分の中にあるということをようやく理解し始めてきたのだと思います。

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