今ニューヨークではミュージシャンたちはどうしてるの?

こんにちは、YutaTanakaSoundです。私はニューヨークがロックダウンに突入した3月16日以降ほぼほぼ自宅から徒歩圏内のエリアで生活をしています。現在ニューヨーク市はロックダウンは解除され、複数のフェーズを経て一応一通りのビジネスがオープンしている状態にはなっています。ただ例外として最後までオープンしていないのが室内でのエンターテインメント/パフォーマンスです。通常は世界中からの観光客でにぎわうリンカーンセンターやブロードウェイも観客を入れてのパフォーマンスは3月以降全てが中止となり、再び開場する日取りは決まっていません。

これまでローカルのクラブやコンサートホールで演奏をしていたミュージシャン達は当然全ての演奏がキャンセルされている中で一体どうしているのでしょう。ロックダウン後しばらくしてソーシャルメディアで出始めたのが自宅での演奏をオンラインでライブあるいは録音配信するというのが私の友人のミュージシャンを含め見られるようになりました。みんな新しいフォーマットでの演奏活動に戸惑いながらも、可能性を見出して出来ることをやっていっているところがみられて、ポジティブなエネルギーであったと思います。それから夏になって路上でのダイニングが解禁されると、一応外での演奏はオッケーということで、ミュージシャンがレストランとタイアップして演奏している姿もちらほら見られるようになりました。

この路上ダイニングというのはロックダウン後にレストラン業界の延命措置ということで通常は申請から許可までいろいろとハードルが高い路上での接客をコロナ禍の特別措置で簡単に営業できるようにしたことで各エリアのレストランが一斉に路上に展開していったのでした。これまで車の路駐に使われていたスペースが突如レストランのダイニングスペースになったということで、ニューヨークの一部のストリートの景色はすっかり様変わりしました。見方によってはヨーロッパの路上に展開するカフェ文化が少しニューヨークに混じったような感じで新鮮ではあります。今までは気づきもしなかったレストランやカフェが、路上に展開していることでいろいろと人々の興味を誘う効果はあるようです。

それから、いままで室内でやっていた音楽、ダンス、格闘技、ヨガなど様々なクラスが場所を求めて公園や路上で行われる風景も見るようになりました。これも閉ざされた室内で行われるのではなく公共の場所で行われるので、図らずとも宣伝効果があるみたいで、おもしろそうなクラスを展開しているミュージシャンやインストラクターのところに話しかけに行く人たちを見かけます。

このように、ニューヨークのミュージシャンは出来ることをやることでなんとか持ちこたえているようです。周りのミュージシャンでも、コロナですべてがキャンセルになったことで極度に落ち込んでいるケースよりは、この状況を前向きに捉えている人が目立つように思います。第一、それまでとにかく忙しかったニューヨークのミュージシャンが、ロックダウンにより「家で納得がいくまで練習が出来る」という環境を突如与えられたのでみんな何かしら刺激を受けているのではと思います。

一方で、ニューヨークのローカルで活躍していたミュージシャンのうち一部の人たちはロックダウン中に生計が経たないのでアメリカの他州や海外の地元に戻ってしまい、ニューヨークに帰るめどはたっていない人たちもいるようです。とはいえ、いったん室内での演奏が許可されればまた元の活気を取り戻すと私は感じています。なんとなく、それがアメリカ的であり、ニューヨーク的だと思うのです。また経過をリポートできたらと思います。

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